1.江川颯 So Egawa
所属:医学科6年
ポジション:レフト・セカンド・ピッチャー
出身:ちょっとここでは言えないですw
あだ名:そうさん・かっこいい人・ナイスガイ・ギャンブラー・#アングラ・野球部のハリソン山中・スルメイカの天敵・勝てば官軍負ければ賊軍でいうところの官軍・Mr.右肩
口癖:とてもおもしれぇでございます
ハッハッハッハッ俺が神でよかった〜
密着!野球部の顔"江川颯"の真実に迫る
我々一向は2025年某日、野球部で屈指の人気を誇る江川颯氏に密着取材を敢行した。その取材でわかった江川颯氏の素顔は思いもよらぬものであった、、、。
密着当日は日曜日。集合は天神ソラリア前に11時と江川氏から連絡があった。我々一向は万が一の事態に備え、1時間前に集合場所に入り、厳戒態勢を引いていた。そして11時になりあたりは騒然とし始めた。なんだなんだ?スタッフは最悪の事態も想定して警戒を強める。ただ雨が降り始めただけだった。そんなことをよそ目に江川氏は若干の遅刻を気にもせず、自慢のベンツで登場した。
我々はベンツに乗せてもらい、ある"目的地"に連れて行ってもらった。そう、競艇場だ。江川氏は野球部屈指のギャンブラーでもあり、豪快な賭け方に期待がかかる。江川氏は車を頭から駐車して、足早に会場へと向かう。我々にもその緊張感が伝わってくる。会場につくと江川氏は我々にボートレースの極意を語ってくれた。
江川氏「まず1レーンはほぼ確で1位なのよ。そういう競技。そこを博打するのは結構アホ。基本は1-2-3とか1-2-4、万舟券見たいんなら俺の横には来ないでくれ。」
パワフルな口調からは想像もつかない堅実な賭け方。オッズ5倍そこらの舟券をバカにしてはいけないという江川氏の悲痛の叫びを感じ取った瞬間であった。
そしてレースが始まった。最初のコーナーで
1レーンのボートが大幅に遅れをとる。この時点で順位は2-3-1。「チッ」横から嫌な舌打ちが聞こえてきた。さらに次の直線も伸びず、勝負は確定的になった。万事休す。結果2-3-6でこの日最初のレースから万舟券が飛び出す事態となった。江川氏はこのレースをうけて
「まぁそういうこともある。負けがあるから勝った時うれしいのよ。」とだけ残し次のレースのデータを見始めた。足元には粉々にされた舟券があった。そこには1着1番ボート固定のフォーメーションがずらりと並んでいた。
次のレースは実績十分の選手が第4レーンでレースを行う。一方第1レーンは実績もなく調子も上がりきっていない若手レーサー。この予想がつきにくいレースをどのように読み解くか、江川氏に見解を求めた。
「実績があるからといって、その選手に安直にかけるのはナンセンス。潮位やボートのコンディションとかも読まないといけない。そこがおもしろいんだよね。」
江川氏はどのように賭けたかを我々に教えてくれなかった。
そしてレースが始まる。評判通り4レーンのボートが最初のコーナーでリードを取り、4-1-2で最終コーナーを迎える。江川氏のボルテージも高まる。「そのままいけぇーーーー!」
情熱、熱狂、使命、人生、そんな言葉がこの姿からよぎる。ここで1レーンのボートが芸術的なコーナー捌きをみせ逆転。1-4-2で決着した。「くそがーーーーーっ」
我々にはどうすることもできなかった。江川氏は無言でその場を立ち去る。喫煙所がある方向だ。10分後戻ってきた江川氏は明らかにオーラが変わっており我々スタッフは話しかけることすらできなかった。そして次のレースは終始無言で観戦することとなった。結果はまたも外れて、ここで昼食をとることとなった。我々は取材を受けてくれることへの感謝として江川氏に奢ることにした。江川氏は先ほどとは裏腹に
「え、ガチ?マジ嬉しいやった!」と笑顔になり
唐揚げ定食ごはん大盛りを注文。午後からのレースに備えた。
午後最初のレースは全国的にも有名なレーサーが複数登場するいわゆる激アツレースだ。江川氏のテンションも上がっていることが容易に伝わってくる。「毒島が5レーンなのがどう影響するかだよね〜。5からまくるのか、それとも安定な決着になるのか。」
口数も増えている。ここで勝てなければ今日の収支がマイナスになるのは避けられない。大一番である。我々もこのレース、賭けてみることにした。なんの知識もないが、見よう見まねでやってみる。江川氏からもアドバイスをもらった。そしてレース。最初のコーナーでは定石通りの展開で1-2-3。期待の毒島選手もそのすぐあとにつけている。しかしジリジリとその差は広がり最終コーナーを回った時点でも順位はそのまま。会場はため息につつまれる。そしてゴールイン。1-2-3。
ふと横をみるとそこに江川氏の姿はなかった。急いでスタッフが捜索するもこの日江川氏が再びカメラの前に現れることはなかった。
我々はその後、最終レースで当たったお金で居酒屋に行き、江川氏の密着取材が終わった。
我々はこの取材を通して江川氏の新たな一面を見ることができた。普段はクールな江川氏が見せる魂の雄叫び。勝負への執着、金への貪欲さ、そして目先の唐揚げへの喜び。我々は多くの学びをもらった。いや学ばなければならない。江川氏は最終レース直前に我々にだけ聞こえる小さな声でこうつぶやいた。
"No gamble,No life."